もり小児科院内便り みどりまちキッズ
【医師より】
手足口病やRSウイルス感染症などは減少していますが、マイコプラズマ感染症が小学生で増加傾向です。
【看護師より】
9月に入りましたがまだまだ暑さが厳しいですね。熱中症や日焼け予防の為に、日差しの強い日中は外出を控えている人も多いのではないでしょうか?この日差しに含まれる紫外線、実はビタミンDという栄養源になることをご存じですか?

◆ビタミンDとは
骨を作る時に必要なカルシウムとリンを腸で吸収するのを助け、骨や歯の発育を促します。
ビタミンDが不足すると、カルシウムやリンが十分吸収されず固い骨ができません。さらに骨からカルシウムを溶かして補おうとするため骨が軟らかくなり、変形や骨折しやすくなったり身長が伸びにくくなる「くる病」になることがあります。

最近では骨に関する働きの他に、免疫に関連する細胞を調節し感染症やアトピー性皮膚炎、アレルギー疾患を防いだり、セロトニンという睡眠の質を改善させたり、気分の安定に関係する物質を増加させる働きがあることも報告されています。

◆ビタミンDをとるには
食品から摂取する方法と紫外線にあたり皮膚で生成する方法があります。

◆食事からとる1日量の目安(単位:µg)
1歳未満:5.0 8~9歳  :5.0~6.0
1~2歳 :3.0~3.5 10~11歳:6.5~8.0
3~5歳 :3.5~4.0 12~14歳:8.0~9.5
6~7歳 :4.5~5.0 15~17歳:8.5~9.0

さんまイラスト◆ビタミンDを多く含む食品の目安
・乾燥しいたけ(2個6g→1.0µg)
・乾燥きくらげ(1枚2g→1.7µg)
・さけ(1切れ80g→30.4µg)
・さんま(1尾100g→13µg)
・干ししらす(大匙2 10g→6.1µg)
・全卵(1個60g→2.3µg)
しかし食習慣の変化で魚類を食べる機会が少ないことやアレルギーによる食事制限、偏食など、食品から必要量を摂ることは難しく、紫外線でも ビタミンDを作ることが必要です。

◆お勧めする日光照射時間(晴れた日のお昼)
春:3~6月 長袖長ズボン 約12~20分
夏:7~9月 半袖半ズボン 約6~8分
秋:10月 長袖長ズボン 約25分
冬:11~2月 長袖長ズボン 約40~60分
※参考:地球環境研究センターHP
「ビタミンD生成・紅斑紫外線量情報(大阪局)」

◆注意!
ビタミンDを合成する際、曇りや日陰では生成量は減少し窓越しや日焼け止めクリームを塗った肌、衣服の上からは生成されません。
直接、紫外線が肌にあたる必要があります。
ただし、紫外線はたくさん浴びすぎると皮膚がんや目の病気をひき起こすことがわかっており、小児皮膚科学会でも赤ちゃんのうちから強い日焼けをしないように注意喚起されています。
適度な紫外線量になるよう日光にあたる時間には注意しましょう。

これからの季節、紅葉狩りやきのこ・さんま・鮭など秋を楽しみながらビタミンDがとれるといいですね。
<参考>
成長におけるビタミンDの重要性
(大阪大学大学院医学系研究科 窪田拓生)
日本人の食事摂取基準(2020年版)
くりイラスト【受付より】
9月6・7・13日木下医師は終日不在です。
9月29日(日)は当番医です。

【今月の土曜日午後担当医師】
9月7日・21日 森
9月14日・28日 木下