もり小児科院内便り みどりまちキッズ
【医師より】
12月中旬から嘔吐下痢症が流行中です。新型コロナ感染症はまだまだ減らないので、ワクチン接種対象者は積極的に接種をうけましょう。
【看護師より】
明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いいたします。
クリスマスやお正月に子どもたちは大好きなおもちゃで楽しく遊んで過ごしたと思います。今回は子どもの遊びには欠かせないおもちゃに関連した誤飲事故についてお伝えします。

小さなこどもが口を開いた時の大きさは、直径約4cmです。これより小さい物はなんでも飲み込んでしまいます。特に多いのが、小さなおもちゃやボタン電池などです。なかでもボタン電池は緊急な処置が必要となる事があるので十分に気をつけましょう。

〜当院で実際にあった事例〜
1歳1カ月の男児。朝早く体温計を口に入れて舐めたり噛んだりして遊んでいた。電池が入っている蓋が外れ、出てきたボタン電池を誤飲した。
当院受診し誤飲と診断。すぐに県立広島病院小児外科に紹介し緊急でボタン電池を摘出した。
対策:最近はおもちゃにボタン電池が使われているものが多くあります。電池のねじ蓋のゆるみがないようチェックしましょう。おもちゃ以外の物には蓋がねじで留められていない事も多いので渡さないようにしましょう。

〜全国であった事例〜
水で膨らむボール状の樹脂製品玩具で遊んだ1〜2時間後から嘔吐あったため病院を受診。帰宅後も4日症状が続いたため再度受診。複数の膨張したボールが腸管内に確認されたため、開腹手術を行い異物の摘出を行った。
対策:対象年齢以下の子どもがいるご家庭では、水で膨らむ樹脂製品の購入を控えることも検討しましょう。

下記のおもちゃに誤飲事故が多発しています!
全国的にネオジム磁石製のマグネットボールやキューブを誤飲する事故が多く発生しています。磁力が非常に強いので、2個以上飲みこむと磁石同士が腸管を挟み込んだ状態で動かないため、自然に排泄されなくなることがあります。気が付かずに時間がたつと腸管に穴があき、開腹手術や大がかりな処置が必要となります。
〜全国であった事例〜
1歳女児が腹痛を訴え近医を受診。レントゲンで5個の連なる金属球が認められた。磁石に挟まれて小腸に穴が開いており、緊急開腹手術となった磁石は3歳の兄のおもちゃで児が一緒に遊ぶこともあった。
対策:おもちゃの対象年齢を守って親の目の届く範囲で遊ばせましょう。兄弟がいる場合は使用後の個数確認をきちんとしましょう。

参考資料:独立行政法人国民生活センター
その他の危険なもの
たばこ 薬 化粧品 洗剤 裁縫道具の針

飲み込んでしまったらすみやかに受診し、診察時次の3点を伝えましょう。
・いつ(〇月〇日の〇時くらい)
・どんなものを(約〇cm)
・どのくらい(〇個)

受診の時には、誤飲した物と同じ物があれば持参してください。無理に吐かせるのは危険なのでやめましょう。
【今月の土曜日午後担当医師】
1月14日・28日 森
1月7日・21日 木下