もり小児科院内便り みどりまちキッズ
【医師より】
新学期が始まったら、学校や幼稚園でも新型コロナ感染症の増加が予想されます。その他手足口病やRSウイルス感染症などの流行も持続しています。
【看護師より】
まだまだ暑い日が続きますが、そろそろ季節も秋へと移りますね。季節の変わり目は寒暖差によって体調を崩しやすくなります。今回は風邪をひくと起こる可能性がある中耳炎についてお話したいと思います。

子どもの中耳炎
中耳炎は鼓膜の中にある“中耳”という部分が炎症を起こす病気です。

外耳中耳内耳の画像
子どもに多くみられる中耳炎は、細菌性やウイルスに感染して発症する『急性中耳炎』です。下図のように子どもの耳管は大人に比べ短く太い上に咽頭までの傾斜が水平に近いため、細菌やウイルスが入りやすくなっています。

子どもと大人の耳管の違いの画像

そのため、2歳くらいまでの乳幼児は中耳炎を起こしやすく小学校入学までに60〜70%の子どもが一度はかかると言われています。
風邪をひいた時などに鼻やのどの炎症に続いて、高熱が続くことや耳の痛みなどがおこり、機嫌が悪い・耳に手を当てる・耳を触ると嫌がる・耳だれが出る等の症状が現れます。急性中耳炎の治療の基本は、抗菌薬の飲み薬です。きちんと治療すれば、多くの場合は1〜2週間で完治します。
急性中耳炎を繰り返したり、途中で治療をやめたりすると『滲出性中耳炎』に移行してしまうこともあります。滲出性中耳炎は耳管や中耳の粘膜からしみ出た滲出液が内耳の中にたまる病気で、発熱や耳の痛みといった症状はなく、耳の聞こえが悪くなることが特徴です。治療には抗菌薬や滲出液を外に出しやすくする薬を使用し、通常は1カ月ほどで治りますが長引く場合もあります。

小児科と耳鼻科どちらを受診するのがよいでしょうか?
中耳炎は子どもの病気としてはとても一般的なので、小児科でも診断・治療ができます。ただし、中耳炎の症状が慢性化・重症化している場合は、専門的で適切な治療が必要となるのでその際は、耳鼻科の受診が必要です。

予防するには?
多くの場合、鼻水が原因であるため鼻水をかむことや市販の吸引器で吸いだすことが効果的です。
夜間に突然「耳が痛い」と訴えたり泣き出した場合は解熱鎮痛剤を使用すると痛みは落ち着きます翌日に病院を受診してください。
【受付より】
9月4日は当番医です。
9月12日からインフルエンザワクチンの予約開始です。ネットから予約してください。
9月24日(土)は休診となります。
【今月の土曜日午後担当医師】
9月10日 森
9月3日・17日 木下