もり小児科院内便り みどりまちキッズ
【今はやっている病気】
年明けから感染症は少なくなっていますが、インフルエンザA型とB型,ウイルス性胃腸炎(ノロウイルス)などが流行している小学校や保育園・幼稚園などがあります。2月中旬以後はインフルエンザも減少していて,それ以外の感染症も少ないです。新型コロナウイルス感染症は,まだ広島での流行はなく,また小児で重症化しやすいという報告もありません。
【看護師より】
子どもの成長になくてはならない睡眠
「睡眠」は胎児期からみられる重要な生命維持機能です。近年、脳科学の発達とともに、子どもの睡眠が、運動、言葉、認知力、意欲、コミュニケーション能力など、脳の発達と深く関係している事があきらかになってきました。

子どもの脳は眠っているあいだにつくられる?
脳の神経組織は胎児期から乳幼児期の睡眠中に発達します。最新の睡眠研究では胎児期から乳児期の睡眠には下記のような働きがあることが分かってきました。

1.脳を創造する
胎児・新生児は、レム睡眠(浅い眠り)の時間を利用して、脳の神経細胞を無の状態から新たに形成し、神経細胞同士をつないで学習や記憶の処理に必要な情報ネットワークを創造しています。

2.脳を育てる
記憶や学習をつかさどり脳の知的工場と呼ばれる「海馬」は、睡眠中にはたらいて知識を蓄えています。睡眠には、今日経験したことを何度も再生して確かめ、昨日までの知識とあわせて新しい知識を確立するはたらきがあります。

3.脳機能を守る
乳児期に入ると、子どもは周囲とのコミュニケーションが活発になり、歩行や言語の獲得に向けた「学習」が加わります。学習能力を高めるには、脳の情報ネットワークが高度な処理に対応できるためのメンテナンスが必要です。最新のアメリカの研究では、睡眠が脳の神経伝達物質やシナプスを点検・修理・補強するはたらきを担い、情報ネットワークを維持していることが明らかになりました。

子どもに推奨される睡眠時間はどのくらい?
0〜3カ月   14〜17時間
4〜11カ月  12〜15時間
1歳〜2歳   11〜14時間
3歳〜5歳   10〜13時間

子どもに長い睡眠時間が必要なのはなぜ?
脳の発達のためには絵本を読むこと、おもちゃで遊ぶ等のように外から刺激を受ける事も大切ですが、前述のように睡眠は欠かせません。生まれたばかりの赤ちゃんはもちろん、子ども達の脳は未熟なので特に大量の眠りが必要です。睡眠が充分足りているか確認してみて下さいね。

※参考文献
赤ちゃん学で理解する乳児の発達と保育 第1巻
 日本あかちゃん学協会編集
 三池輝久・上野有理・小西行郎著 
【受付より】
麻疹風疹(MR)II期ワクチンの打ち忘れはありませんか?就学前年度の3/31までが期限です。
【今月の土曜日午後担当医師】
3/7・21 木下 
3/14・28 森 

【病時保育室みどりキッズより】
先月は節分の行事でみどりキッズにも鬼がやってきました。本物の鬼がいつ来ても良いように、ちぎり絵で鬼や風船に向かって豆(新聞紙ボール)を投げる練習をしました。ボールを作る所から始まり、やる気に満ち溢れた姿が見られました。その練習の成果もあり、本物の鬼が来た時には「鬼は外」と豆を投げ勇敢に戦ってくれました!見事に鬼を倒す事ができると「やったー!!」と飛び跳ねながら喜び合いました。怖くても鬼に立ち向かう子ども達の姿はとてもかっこよかったです。