もり小児科院内便り みどりまちキッズ
【今はやっている病気】
昨年よりも早く11月末からインフルエンザA型の流行が始まりました。ワクチンにはA型とB型それぞれ2種類含まれています。今年はA型もB型も流行が予想される年なので、罹患された方も元気になったら接種をしましょう。
【看護師より】
今月は思春期の発達課題について紹介します。
(学童期以前の発達課題は、もり小児科ホームページからご覧頂けます)

思春期(12から15歳ごろ)の発達課題
将来の夢に対する再検討
この時期は、学童期までに持っていた将来の夢を、少しずつ現実化していく作業が必要になります。現実化するとは、現時点での能力や成績等の相対的な位置づけから夢が実現できるものかを判断していく事です。例えば、小学生の頃に「プロ野球の選手になる」という夢を持っていても、中学生で野球の経験があまりない場合は叶えることは難しいかもしれません。勉強嫌いで学業成績があまり良くないのに「医者になる」という夢も飛躍的に成績が伸びない限りは難しいでしょう。ただし現実化する事は夢を諦める事ではありません。その時点では難しい事を、どうすれば実現できるか考え、実践していく、あるいは他の夢を考えるきっかけにするのに必要です。特に最近はゲーム等の影響で現実と非現実の区別がつかなくなる場合があります。大人になっても非現実的な万能感を持ち続けてしまうのを防ぐ為には、この時期に現実化していく必要性があると思われます。そして周囲も含め、夢=(イコール)職業だけではないと考える事も大切です。「手先が器用で細かい作業が得意」「いつもニコニコして人に優しい」等その子その子に優れたところがあり、それらの特性を将来に生かせると良いのではないでしょうか。親や社会がそれらをきちんと見つけ評価すれば、色々な夢を現実化させやすくなります。

性欲や攻撃性等の衝動への対処と劣等感の克服
この時期、異性への関心はもちろん、ライバルである同性へも関心が向けられます。その際に自分との比較により優劣の感情を伴い、自分を過小評価する事による劣等感が生じやすくなります。また性や攻撃性の衝動が高まり、親に対しては反発します(第二次反抗期)。これは正常な発達の現われです。親は思春期の特性を理解し、子の言動に対してさらりとかわすことが求められます。ただし子どもがまじめに相談してきた時や問題行動を示したとき、いつもと変わった様子が続いた時には、親はきちんと向き合う必要があります。親も子どもも大変な時期ですが、次の青年期に向けての大切な時期なので、落ち着いて乗り切っていけるとよいですね。
※参考文献 「臨床家族心理学」秋山邦久著
【受付より】
年末年始のお休みは下記の通りです。
12月31日〜1月4日
(12月30日は午前中のみ診察)
【12月の予定】
土曜日午後担当医師
12月7日・28日 森 
12月14日・21日 木下 
【病時保育室みどりキッズより】
11月からカプラという積み木を遊びに取り入れ始めました。立体的な形の面白さを感じたり、高く積み重ねて色々な物を作ったりとそれぞれの楽しみ方で遊ぶ姿が見られました。真剣な顔つきで作り始めますが、完成した時の笑顔は達成感と満足感で満ち溢れています。

今年もご利用ありがとうございました
来年もよろしくお願いいたします
良い年をお迎えください