もり小児科院内便り みどりまちキッズ
【今はやっている病気】
8月の初旬に,成人から感染したと思われるインフルエンザA型の患者さんが少しいましたが、夏休みのため感染の拡大は認められず、ひとまず終息しました。現在は特に流行している感染症はありません。そろそろRSウイルス感染症が増加する時期なので注意が必要です。
【看護師より】
先月の乳児期の発達課題に続いて、今月は幼児前期の発達課題について紹介します。(先月号は、もり小児科ホームページからご覧頂けます)

幼児前期(2〜4歳)の発達課題
自我が育つ
この段階の子どもは、乳児期に身につけた万能感と身体的な発達、それに加えてことばの発達が急激に進むことにより、より多くの複雑な欲求や要求を周囲の人に示すようになります。その子どもの要求や欲求に対して周囲の大人がきちんとそれらに向き合い、根気強く「しつけ」をしていく事が大切です。その為には、社会的に受け入れられる要求や欲求は受け入れ叶えさせてよいですが、「ダメなものはダメ」という周囲の大人の毅然とした態度も必要です。この時、子どもは社会が自分の希望通りにならない事を知ります。このしつけを通した親子のぶつかり合いを第一反抗期と呼びます。このぶつかり合いや葛藤を通して、子どもの自我が育つと考えられています。つまり子どもの自我は、自分の要求や欲求と社会の制約との間で折り合いをつけながら育ち、この折り合いのつけ方によってその子なりの性格が形成されていきます。

また現実社会の厳しさに触れることにより、乳児期に身に付けた夢のような万能感も大きな勘違い(錯覚)であると気が付き、捨てなくてはなりません。そのため、この時期に子どもの要求や欲求を全て受け入れ、ご機嫌取りばかりをすると子どもの自我が育たず、社会との折り合いがつけられない子どもに育ってしまいます。逆に乳児期からしつけを放棄した親に育てられると、自我の形成が不完全となり、自らの要求や欲求を出せなくなってしまいます。そして、この第一次反抗期に子どもと向き合う事を避けてしまった親は、第二次反抗期でも子どもと向き合う事が難しくなります。このように考えると、親は子どもの発達段階に合わせた接し方をする事が大切であり、子どもの将来に影響を及ぼすことを知っておく必要があります。

次月号は幼児後期(4〜6歳)の発達課題について紹介します。
※参考文献 「臨床家族心理学」秋山邦久著
【受付より】
二種混合ワクチン(DT)や麻疹風疹混合ワクチン(MR)二期の対象年齢の方は、早目の接種をお勧めします。予約の上、接種してください。
尚、インフルエンザワクチンは、10月1日から接種開始予定です。(予約開始は9月17日からとなります)小児は2回接種ですが、13歳(中学生)以上は1回接種です。
【9月の予定】
土曜日午後担当医師
9月7日・28日 木下
9月14日・21日 森
【病時保育室みどりキッズより】
8月はお魚すくいや、しゃぼん玉遊びをしました。魚すくいの網を身体のバランスをとりながら上手に使って、魚がすくえると小さいお子さんもニンマリ笑顔に。夢中で吹き続ける定番のしゃぼん玉遊び。今回はペットボトルをカットした部分をガーゼで覆った必殺アイテムも導入。ぶくぶくとしたまんまる泡玉が3つでき「オラフみたい♪」と幼児さんは大喜びでした。