もり小児科院内便り みどりまちキッズ
【今はやっている病気】
今は特別に流行している病気はありません。先月多かった手足口病も減少傾向です。今年の手足口病は四肢の先端よりも、膝や肘、体にも発疹が出現する傾向があります。その他アデノウイルス感染症、伝染性紅斑(りんご病)、百日咳なども多くはありませんがいます。RSウイルス感染症は通常冬のかぜですが、最近の3〜4年間では7月から出現し9月頃がピークです。RSウイルス感染症は乳幼児が罹患すると、重症化する可能性もあります。最近やや増加傾向なので注意が必要です。
【看護師より】 こどもの発達課題について
こどもの発達段階には、その時期に達成しておかなければならない発達課題があると言われています。心の発達は階段のように一段ずつ積みあげていくことが大切です。それぞれの時期の課題をクリアし、身につけた子どもは次の発達段階の課題もクリアする事ができます。それぞれの時期の課題を知っておくと、日々の生活での子どもとの関わり方が変わってくるかもしれませんね。エリクソンの生涯発達理論による子どもの発達段階を参考に発達課題を紹介します。

乳児期(0〜2歳)の発達課題
1.十分な基本的信頼感を身に付けさせる
基本的信頼感とは、「私はここに産まれてよかった」という感覚で、周囲に対する絶対的な安心感です。この時期の子どもは空腹、眠気、排泄、暑さ寒さ、周りからかまってほしいという欲求が中心です。子どもはその欲求を「泣く」という方法で表します。このサインに周囲の大人が気づいて適切に心地よい状況を作り出していくことを繰り返していくことによって、子どもは「基本的信頼感」を獲得していきます。他者に対する信頼感の獲得は、自分に対する信頼感につながり「自信」の基礎が生まれる事にもなります。ただこの時期の子どもは一日に何度もこのサインを出すため、その対応は母親だけでは難しいので父親をはじめ祖父母など様々な人の援助が必要です。

2.万能感を身に付けさせる
万能感とは、「自分は何でもできる」という感覚で、世の中のすべての欲求が必ず叶えられるという魔術的な感覚です。「泣く」ことで欲求全てが叶えられることで体感していきます。この「万能感」は現実的には大きな勘違いですが、この錯覚が子どもの発達にとって非常に重要となります。

次の発達段階の幼児前期(2〜4歳)は、次月号にて紹介します。
※参考文献 「臨床家族心理学」秋山邦久著
【受付より】
下記の通り休診となりますので、ご了承下さい。
8月13日(火)〜15日(木)お盆休み
8月31日(土)終日 学会出張の為
【8月の予定】
土曜日午後担当医師
8月3日・10日 木下 
8月17日・24日 森 
※8月10日AM(土)は森休診です(代診河野)
【病時保育室みどりキッズより】
7月14日・15日の2日間全国病児保育大会in盛岡に参加してきました。看護や保育他色々な分野の勉強をして、とても充実した2日間となりました。中でも東日本大震災を体験した保育園の園長先生の話は生々しく会場内から涙声が多く聞こえてきました。震災後の子供達の姿、保育士の苦悩そして立ち直る迄の道のりは想像をはるかに超える内容でありました。みどりキッズでは、毎月避難訓練を行っています。まだまだ足りない事がたくさんある事、そして避難訓練がいかに大事かという事を教えられました。この講話の話しを無駄にしない為にも訓練を重ねて行きたいと思いました。