もり小児科院内便り みどりまちキッズ
【院長挨拶】
10月より新しい医院で診療をしています。広くなり医院内でゆったりしていただけると思います。一方広くなったために診療や処置に時間がかかることがあり、申し訳ありません。
【今はやっている病気】
咳や鼻水のある普通のカゼが増えています。急に高熱が出て鼻水・咳症状に乏しい熱だけの夏カゼも続いています。冬の感染症であるRSウイルス感染症(乳児がかかると気管支炎が重症化することがある)と年齢の高いお子さんで熱と咳が続くマイコプラズマ感染症は減ることなく流行は続いています。嘔吐下痢症(ウイルス性胃腸炎)は増えてきました。今後もっと増えると思います。水痘、高熱が持続するアデノウイルス感染症(目が赤くなればプール熱)、溶連菌性咽頭炎、りんご病は見ますが多くはありません。おたふくかぜ、百日咳、小さなお子さんで気管支炎になるヒトメタニューモウイルス感染症、麻疹、風疹はありません。
【看護師より】
RSウイルス感染症
RSウイルス感染症は毎年秋から冬季に流行し、1歳までに半数以上、2歳までにほぼ100%感染する乳幼児で代表的な呼吸器感染症です。以後の1年〜数年毎に感染を繰り返します。症状は軽い風邪のような症状から重症の気管支炎までさまざまです。小さいお子さん程症状が重くなる傾向があり、乳児の場合は細気管支炎となり入院が必要になる事もしばしばです。症状は、4〜5日の潜伏期間ののちに、鼻水、咳、発熱などの症状が現れます。乳児期早期では発熱がありませんが、その以降では4-5日の発熱があります。咳や鼻水は段々ひどくなりますが、通常は10〜14日程度で自然に軽快します。症状は咳や喘鳴(ゼイゼイする)、痰がつまる、呼吸が増える、眠れないなどで、よく気管支炎になります。気管支炎や喘息様症状のひどい場合は入院が必要になります。また喘鳴の出たお子さんはのちに喘息になることがあります。治療は、特効薬はなく対症療法のみです。発熱に対しては、冷却、解熱剤の使用、呼吸器症状に対しては、鎮咳去痰薬や気管支拡張薬などを用います。咳き込んで苦しそうな時は、上体をおこし背中を軽くたたき痰が切れやすくしてあげてください。RS感染症は喀痰が粘いのが特徴ですので、痰を出しやすくするために水分補給をこまめにして下さい。細菌感染を疑う場合は抗生剤を使用します。乳児の場合、鼻水が多くなるため、哺乳がうまく出来なくなります。一回量を減らし、回数を増やして哺乳しましょう。また、加湿を十分に行いましょう。息苦しく哺乳が困難、寝にくい時期は、鼻水吸引が有効ですので通院下さい。RSウイルスの感染経路は飛沫感染と接触感染です。手洗い、うがいをこまめに行いましょう。年長児や大人が感染しても症状が軽いためRSウイルスだと気付かない事があります。親御さん自身、または兄弟姉妹の上の子が風邪かなと思ったら乳児になるべく近づけない、親御さんはマスクの着用を徹底しましょう。
【11月の予定】
土曜日午後担当医:11/5、19 森  11/12、26 木下
休診医師:11/19(土) 木下
【病時保育室みどりキッズより】
一段と日が暮れるのが早くなり、空気もずいぶんひんやりしてきました。子ども達の服装も、長袖の上に上着を着てくる子どもさんが増え、秋から冬にかけての準備が始まっています。寒くなると厚着しがちになります。体温調節がしやすいように脱いだり着たりが簡単にできる服装を心がけましょう。