もり小児科院内便り みどりまちキッズ
【今はやっている病気】
 広島市では8月下旬にインフルエンザの流行期に入り、9月はゆっくり増加し、10月半ばから急増しています。当院でも10月中旬より患者さんが増えてきていて、11月は更に増えると推測されます。広島市衛生研究所での遺伝子検査では7月以降、インフルエンザAは全例新型インフルエンザですので、迅速検査でA陽性であれば新型と考えられます。当院の患者さんの症状は普段のインフルエンザと同等か少し軽い印象です。舟入病院などへ入院した方は、呼吸困難や意識レベルの低下があります。このような症状のない大多数の方は、普通のインフルエンザの経過で治っています。当院で発熱のためインフルエンザを疑って検査をしても陽性は1/3ですので、インフルエンザの以外の普通の風邪の方もたくさんおられます。熱だけのいわゆる夏カゼは少なくなりました。水痘とおたふくかぜはわずかに流行していますが、とても少数です。溶連菌感染症やアデノウイルス感染症(目が赤くなればプール熱)もわずかです。麻疹、風疹、りんご病は見ていません。

インフルエンザについて
<重症化>
子どもでの重症化のほとんどは、ウイルス性肺炎と脳症です。ウイルス性肺炎の症状は、呼吸困難、多呼吸・陥没呼吸、チアノーゼです。脳症の症状は、意識障害、意識低下、けいれん、異常行動です。この2つの病気は発熱と同時期に起こることが多いようです。発熱初期はこれらの症状に気を付けてお子さんを見てください。

<舟入病院>
年末年始は1日に300〜400人くらいの受診があり、大変混雑します。10/24(土)〜25(日)は511人/日でした。特に土曜の18時以降に受診が急増し、24時には4時間待ちだったそうです。
 ・ 待ち時間が長いと病気の子どもは体力を消耗します。
 ・ 重症者への治療開始が遅れます

<11月>
インフルエンザの患者数は10月の2倍以上になると予想されます。
休日当番医は通常小児科1軒ですが、2〜4軒に増設が決まりました。
大多数のインフルエンザの患者さんは、重症化せず普段のインフルエンザと同様の経過で治っています。重症化の症状がない場合、昼間(できれば平日)の受診をお勧めします。
【看護師より】 新型インフルエンザ情報
 連日マスコミでも新型インフルエンザのニュースが流れています。みなさんもご心配だと思います。当院でもこれまで新型の患者さんを診てきましたが、いずれも症状は軽く、咳・鼻もひどくはありません。まれに熱が続くお子さんもいましたが、そのまま様子を見て解熱しました。全員が軽いとは限りませんが、日頃の生活態度(食事、睡眠、運動等)が大きく関わってきますので、みなさん規則正しい生活を心掛けて下さい。また、保護者の皆様もマスコミの情報に感化されるのではなく、子どもさんに新型の疑いがあっても慌てず受診しましょう。

★ インフルエンザの自己チェックシート★
 □ 身近でインフルエンザにかかった人かいる
 □ 急激な発症(38度以上の発熱)
 □ かぜ症状、全身症状(咳、鼻、倦怠感、関節痛、喉痛み、頭痛等)
これらの4つがそろった場合はインフルエンザの可能性が高いと考えられます。
【順番待ちについてのお願い】 
 患者さんが増え、待ち時間が多くなってきました。順番を取られて外出される方は、出る時と帰った時には必ずスタッフに声を掛けて下さい。また、自分の番号の3番前までには入室をお願いします。遅れた場合は先に次の方となります。
【受付より】 新型インフルワクチンについて
 11月初旬現在、新型インフルエンザのワクチンについてまだ具体的な状況がわかっていません。電話での問い合わせが殺到しておりますので、正しい情報については、院内に事前掲示しますのでしばらくお待ち下さい。
 なお、季節性のワクチンに関しては受付を終了しました。今年は例年より問い合わせが多く、10月の中旬には予約がいっぱいになり、ワクチンの確保が難しい状況になっております。予約日に連絡なく来院されなかった場合は、自動的にキャンセルさせていただきますのでご了承下さい。
【病時保育室みどりキッズより】 
 病児保育室では、ほとんど毎日顔ぶれが変わり、異年齢の子が同室も当たり前の事です。
耳下腺炎で来ていた4歳のMちゃんに「明日はバブちゃんが来るよ」と伝えると楽しみにしてくれていたようでした。次の日たくさんバブちゃんに遊びを邪魔されましたが、怒る事はありませんでした。そんな姿を見て、心が温かくなります。